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こんにちは!むぎ@です。
副業でワンルームマンション投資をしています(⇒プロフィール)。
このブログは、東京23区で中古ワンルームマンション投資をしている経験を発信するブログです。
ワンルームマンション投資をはじめたら出口戦略を考えます。
途中で売るも良し、老後の資産として所有し続けるも良し・・・
売るか所有し続けるかの判断は、所有する物件が将来も家賃収入を得ることができると確信するかしないかで決まります。
そして、物件を売るにしても所有し続けるにしても、あなたは常に物件を相続させる可能性があります。
人間、明日死なない保証はありません。
あなたが、ワンルームマンションという『資産』を所有している期間に亡くなると、親族間で相続争いが起きる可能性があります。
今回は知っているようで知らない相続の基礎知識についてご紹介しますので、相続について検討していない人は最後まで読んでみてください!
絶対に必要な3つの相続対策
相続であらかじめ対策しておきたいのが、①家族でもめないための相続(争族)対策と②相続税を節税する対策です。
残された家族のために準備した財産をめぐって骨肉の争いをするのは、金持ちだけではありません。
司法統計年報(令和3年)によると、家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割トラブルで認容や調停が成立した件数は、遺産価格が1,000万円以下でも全体の33%(2,279件)もありました。
相続のトラブルは遺産価格の大きさに関係なく、どの家族でも起きる可能性があるので事前対策をすることが大事です。
①遺産分割対策
『争族』を防ぐために法律にのっとった対策
②納税資金対策
相続税は『現金』で納付しないといけません
③節税対策
資産を世代間で移転するといった相続税の対策
②納税資金対策と③節税対策は別の記事で紹介します。
①遺産分割対策
一般的に現金が中心の財産だと、たとえ争族がおこっても現金で解決ができる可能性が高いです。
しかし遺産が不動産中心で現金がほとんどないケースは、遺産分割でもめる可能性が高いようです。
- 自宅以外の財産がほとんどなく(主な相続財産は不動産だけ)、相続人が複数いる
- 相続人が多い
- 特定の相続人が多額の贈与をうけている
- 特定の相続人が、被相続人の介護を一人で行なっていた
遺産分割の対策をしないままに亡くなると、相続人全員で話し合いをして、誰が何を相続するかを決めます。
このときに、様々な問題が発生して争族に発展すると、最終的には民法に従った相続がおこなわれます。
例えば「話し合いがまとまらない」以外にも、「相続人の中に連絡がつかない人がいる」「相続人の中に認知症の人がいる」などのケースもあります。
あなたが誰に何を相続させるかを考えていたとしても、遺産分割の対策を具体的に実行していなければ、残された家族の争う原因になりますし、あなたが希望した相続は実行されませんので注意してください。
では、遺産分割協議が不調に終わったときに知っておくべき『民法に従った相続』についてご紹介します。
1.相続の開始日と開始地のルール
相続の開始日
相続は人の死亡によって開始します(民法882条)。
つまり、被相続人が亡くなった瞬間から相続の時計が動きはじめます。
相続は期限が決められた手続きが多くあるので、相続開始日を正確に把握することが大切です。
たとえば、相続放棄は相続開始日(相続を知った日)から3ヶ月以内に手続きを行わないといけません。
相続税の納税は10ヶ月以内に現金で納付します。
不動産を相続した場合、資産価値の評価をして納付する現金を準備しないといけないので、相続開始日と相続手続きの期限はしっかり把握しておきましょう。
相続の開始地
相続の手続きは、相続開始地を管轄する家庭裁判所や税務署でおこないます。
そして相続開始地は、被相続人の最後の住所地と民法に定められています(民法883条)。
住所地と本籍地は異なりますので注意してください。
2.相続の意思表明は3ヶ月以内
相続が起こると、被相続人(亡くなった人)の財産は「包括承継(ほうかつしょうけい)」として相続人などに権利が移転します。
「包括承継」とは、一切の権利と義務が一括して相続人に移転することです。
権利はプラスの財産ですので現金や不動産などですし、義務はマイナスの財産である借金などが該当します。
ですから、財産だけ相続して借金は相続放棄することはできません。
そのため、相続する財産よりも借金が多いときは相続放棄もできます。
そんな意思表示をするのが相続開始日から3ヶ月以内と決まっています。
正確には、「相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。」とされています。
限定承認のメリット
1)プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を返済すればよい
限定承認の最大のメリットと言えます。
借金の額がはっきりしないときは、限定承認を行なっておけば安心です。
2)自分の実家(自宅)等を相続できる
相続放棄をすると、財産に自宅がふくまれているとその自宅も相続できません。
マイナスの財産が多くても自宅だけは相続したいケースがあります。
故人が会社を経営していて、自社株の相続なども該当するかもしれません。
限定承認のデメリット
1)相続人が全員で家庭裁判所に申立をする必要がある
相続人全員の意見が一致しないと申立できないのが大きなデメリットです。
相続人同士が仲が悪かったり、遺産分割協議でもめると利用が難しくなります。
2)手続きが複雑
限定承認は申立をしてから手続きが終わるまでに1年から2年かかることがあります。
それだけでなく、不動産等の売却可能な財産があると競売をしなければいけませんのでとにかく手続きが複雑です。
3.法定相続人について解説
法定相続人とは
民法で定められた故人(被相続人)の財産を相続できる人です。
遺言書があれば、相続できる人は法定相続人に限られませんが、遺言書がない場合は基本的に法定相続人同士で遺産分割について協議します。
法定相続人になる人は、①故人(被相続人)の配偶者と②故人の血族です。
配偶者相続人は常に相続人になりますが、内縁の夫や妻は相続人になれません。
血族相続人は優先順位があり、より順位が高い者だけが配偶者とともに相続人になります。
第1順位:子
第2順位:直系尊属
第3順位:兄弟姉妹
① 配偶者相続人(常に相続人) | ② 血族相続人(より順位が高い者が相続人) 第1順位 子 ↓ 第2順位 直系尊属 ↓ 第3順位 兄弟姉妹 |
「配偶者と子」「配偶者と直系尊属」のように組み合わせて相続人になります。
故人に子、直系尊属、兄弟姉妹がいない場合は、相続人は配偶者のみになります。
(法定相続人の練習問題)
すべて夫(Aさん)が死亡したとします。法定相続人が誰でしょうか?
(問1)
□Aさんには妻がいますが子はいません。
□Aさんと妻の両親は健在です。
□Aさんの祖母も健在です。Aさんには妹が1人います。
(解答)
妻、Aさんの両親(法定相続は3人)
(問2)
□Aさんには妻がおり、子供が2人います。
□Aさんの両親は故人です。
□Aさんには兄が1人います。
(解答)
妻、子供2人(法定相続人は3人)
代襲相続とは
血族相続人の第1順位である『子』もしくは第3順位である『兄弟姉妹』が死亡などでいない場合、代わりに直系卑属(子供)が相続します。
血族相続人が・・・
①相続発生時に、すでに死亡していた場合
②相続欠格事由に該当する場合
③廃除により相続権を奪われた場合
廃除は認められないケースが多いみたいです・・・
代襲相続にはいくつかのルールがあります。
①第1順位
故人(被相続人)の子が死亡していれば、孫が代襲相続人になり、孫が死亡していればひ孫・・・と直系卑属を何代も降りて相続させることができます。
②第3順位
兄弟姉妹の場合は、一代に限り代襲相続ができます。(つまり甥と姪まで)
③相続を放棄した場合は代襲相続が認められません。
法定相続分とは
遺言による相続分の指定がない場合は、民法で定められた相続分によって財産を分割します。
これを法定相続分といいます。
□ 同一順位の相続人が複数いる場合は均等に分ける
□ 子は、実子、養子、非嫡出子(法律上の婚姻外で生まれた子)にかかわらず、法定相続分は同じ
□ 遺言書がある場合でも、相続人全員の合意があれば、遺言書通りに分けなくても良い
- ①配偶者のみが相続人の場合
-
配偶者がすべての財産を相続します。
- ②配偶者と子が相続人の場合
-
配偶者の法定相続分が2分の1、子の法定相続分が2分の1です。子が2人なら各人1/2×1/2=4分の1です。
- ③配偶者と直系尊属が相続人の場合
-
配偶者の法定相続分が3分の2、直系尊属の法定相続分が3分の1です。複数いれば均等に分けます。
- ④配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
-
配偶者の法定相続分が4分の3、兄弟姉妹の法定相続分が4分の1です。
- ⑤配偶者がいない場合
-
血族相続人(直系尊属、兄弟姉妹の優先順位で相続します)
- ⑥誰も相続人がいない場合
-
財産は「国庫」に帰属します。
法定相続分は、配偶者が優遇されています。
(法定相続分の練習問題)
(問題)
□Aさんが亡くなりました。
□妻はいますが子はいません。
□Aさんの両親は健在です。
□Aさんには妹が2人います。
□各人の法定相続分の割合はいくらですか?
(解答)
法定相続分は、配偶者と直系尊属となり、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1。
よって、Aさんの妻が財産の3分の2、Aさんの父が6分の1、母が6分の1となります。
遺言書の基礎知識
法定相続分は、遺産を分ける基準となるものです。
ただし、不動産を財産で残すと、売る、売らないとか、誰がどの物件が欲しいなど相続人どうしの争いにつながりやすいです。
また、あなたの介護をしてくれた相続人に多く遺産をあげたいケースもあります。
そこで、争族を防ぎ、あなたの意志にそった遺産分けをする方法として、遺言書を残します。
ところが、遺言書の形式が法的に無効な場合は、せっかくの故人の遺志が反映しない遺産分けとなってしまいます。
遺言書が無効なケースは結構あるようですので、遺言書の形式をしっかり理解して活用することをおススメします。
遺言書の種類
遺言は遺言者の意思を尊重し実現するためのもので、満15歳以上で意思能力があれば遺言を行うことができます。
遺言を一定の方式で表したものが遺言書ですが、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などの方式が決まっており、それぞれの方式にしたがって作成しないと無効となります。
遺言書は、別の遺言書を作成することで、遺言の一部または全部の変更ができます。
それぞれの遺言の形式が違っても大丈夫です。
複数の遺言書があるときは、日付の新しいほうが有効です。
自筆証書遺言とは
作成方法
遺言者が遺言の全文と日付、氏名を自筆して押印する形式です。
パソコンや代筆では作成できません。
ただし、自筆証書遺言に添付する財産目録は、パソコンなどで作成してもOKですが、財産目録の各ページに署名押印が必要です。
証人
不要
秘密保持
相続人に秘密を保持できますが、偽造や滅失等の恐れがあります。
検認
自筆証書遺言は検認が必要です。
自筆証書遺言は、令和2年から法務局での保管が可能になり、その場合は検認は不要になります。
自筆証書遺言を法務局に保管した場合、相続開始後に相続人が遺言書の写しの請求・閲覧をすることが可能になります。
そして、相続人の一人が遺言書の写しの交付・閲覧をしたら、他の相続人に遺言書が保管されていることを法務局が通知します。
つまり、他の相続人に見つからないように遺言を見ることは不可能だということです。
うまくできたシステムです^^;
公正証書遺言とは
作成方法
公証役場で遺言者が遺言の趣旨を口述し、公証人がその内容を筆記して遺言者および証人に読み聞かせ、遺言者と証人が承認した後、各自が署名と押印することによって作成する。
証人
2人以上の証人が必要(公証役場で立ち合います)
秘密保持
公証人と証人に遺言の内容を知られるが、偽造・滅失の恐れはほとんどありません。
検認
不要
秘密証書遺言とは
作成方法
遺言者が署名・押印をした遺言書を封印して、公証人と証人の前に提出し、自己の遺言であることと氏名・住所を申述し、公証人が提出された日付と遺言者の申述内容を封筒に記載し、公証人、証人、遺言者本人が封筒に署名・押印する。
証人
2人以上の証人が必要(公証役場で立ち合います)
秘密保持
遺言の内容を秘密にして、遺言の存在だけを証明してもらうので、滅失・未発見の恐れがあります。
検認
必要
紛失や関係者による破棄のリスクをなくし、証拠能力が高い『公正証書遺言』が一番確実に故人の遺志を残せると思います。
ちなみに、司法統計年報によると遺言書の検認件数は令和3年に19,576件で、毎年増加傾向です。
検認手続きが不要な公正証書遺言は、令和3年に106,028件でした。
遺言の限界=遺留分
遺留分とは、民法によって法定相続人に認められた最低限の保障です。
遺言や生前贈与等で行き過ぎた財産移動を防ぐために設けられています。
たとえば、遺言で『妻には一切財産を渡さない』と書いても認められません。
妻には最低限の相続財産を受取る権利があります。
□ 遺留分を受取る権利者は、配偶者、子、故人(被相続人)の父と母
□ 故人(被相続人)の兄弟姉妹には遺留分はありません
□ 内縁の妻(夫)は法定相続人ではないので、遺留分はありません
□ ①全財産のうち遺留分として認められる金額(総体的遺留分)は、
直系尊属だけが相続人の場合 ⇒ 法定相続分の3分の1
それ以外の場合 ⇒ 法定相続分の2分の1
②相続人個別の遺留分は、①の総体的遺留分×各遺留分権利者の法定相続割合
例)遺産が1億円あって、夫の遺書に「妻に財産を渡さない」と書いていた場合
総体的遺留分は2分の1で5,000万円
妻の遺留分は法定相続割合2分の1をかけて2,500万円となります。
※遺言書を作成するときは、遺留分を考慮した内容にすることが大切です
遺留分を侵害された人は請求権がありますが、時効があります。
①遺留分権利者が、相続の開始および侵害すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年間
②相続開始時から10年間
相続が決まるまでの不動産のあつかい
ワンルームマンションなど賃貸収入のある不動産の相続で必ず発生するのが、遺産分割決定までの不動産収入の帰属問題です。
遺書書があれば相続発生時から遺産の取得者が決定するため不動産収入の帰属を気にする必要はありません。
通常、相続開始から遺産分割協議までは数か月程度かかることがほとんどですので、相続が決まるまでの不動産は相続人の共有不動産になると民法が定めています。
そして、不動産の相続人が決まるまでに発生した家賃(共有不動産時に発生した家賃)は、相続人全員が法定相続分に応じて受取り、各人が確定申告をすると決まっています。
遺言書で不動産の相続人を決めておけば発生しない問題ですね!
家賃収入のあつかい以外にも、共有不動産にすることで様々な決め事が合議制になるので、争いの元になったり時間と手間がかかります。
相続人各人が単独で実行が可能なものは保存行為
□修繕
□法定相続分での登記 など
相続人の過半数の同意が必要なのは管理行為
□賃貸借契約の締結
□賃貸借契約の解除
□賃料の減額や増額 など
相続人全員の同意が必要なのは変更行為
□売却・贈与
□解体・建築
□大規模修繕・増改築
□長期賃貸借
□担保権設定 など
このように、相続人が確定するまでの期間とはいえ、シロウトの集団が共同で不動産を管理するのは負担が大きいです。
こういった場合は、相続人全員の合意によって特定の者に財産管理を委託できます。
不動産の場合は、賃貸管理会社に管理業務を委任する「委任契約」をするのがおススメです。
例として、むぎ@が契約する日本財託の委任状の内容をご紹介します。
日本財託の委任状(一部紹介)
委任状
住所
氏名
私は、上記の者(以下『代理人』という。)に対し、下記の委任事項を委任し、代理権を授与します。
この委任は、私が書面で取り消すまでの間、継続するものとし、私が後見開始の審判を受けた場合であっても、下記の委任事項について代理人の代理権は消滅するものではなく、引き続き、代理人において代理行為を行ってください。
契約条件に付いては、代理人が下記の賃貸住宅管理業者と協議して決めてください。
記
【委任事項】
1 以下物件についての賃貸借契約(サブリース業者との間のサブリース現賃貸借契約を含む)の締結、転貸の承諾、賃料その他の契約条件の変更及び賃貸借契約の解除並びに修繕工事及び原状回復工事に関する請負契約の締結その他これに付随する一切の行為
(以下省略)
まとめ
今回は、3つの相続対策(①遺産分割対策 ②納税資金対策 ③節税対策)のうち、遺産分割対策を中心に紹介しました。
故人は相続人に対し、財産評価をして遺産分割の協議をするといった時間と労力の負担をかけます。
場合によっては残された親族が争うといった悲しい結末も想定できます。
残された相続人に、このような負担をかけない対策は遺言書を残すことです。
理想は、遺言書の内容を生前に相続人全員で共有することだと思いますが、難しいですかね・・・
むぎ@もまだ遺言書は作成していませんが、物件の相続については早めに決めたいでね。
遺言書は何度も書換えが可能で、最新の日付の遺言書が採用されますので、あなたが現時点で考える相続内容を遺言書に残す方法が合理的だと思います。
「まずは遺言書を書いてみる」と行動に移すのが大事ですね!
あなたも相続対策、考えてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。